18歳のブログ - ntye -

18歳のブログ。夏休み突入。

「十八歳の夜は、なんと孤独で、使うことのできない有り余った時間なのであろうか。」2/3

 携帯を開くと、「報道されない真実」と称されて、沖縄で米軍基地関連施設の建設に反対する住民達を制圧する機動隊による暴力の映像が流れてきた。運動をするお爺さんお婆さんたちは機動隊員に向かって「同じ沖縄県民だろう」と呼びかけるが、全国から招集されたマニュアル通りに動く機動隊員達はびくともしない。虚しくも数日程経てばこの人達も誰かの手によって変えられた日常に帰らざるを得ない瞬間を迎えることになるのだろう。僕にとってのそんな数日はあっという間に過ぎ、次の便りは、数秒も立たない内に人差し指で飛ばしてしまうのかもしれない。

 

 4時10分になると、冷蔵庫から枝豆を手にして、剥き出しの階段に腰を掛けた。空一面に薄っすらと貼り付いている雲がオレンジ色になりかけた時、枝豆は既に中身のない空殻の状態となり、ベタベタになった僕の左手を、何週間も洗っていないパーカーの袖で拭いた。東側に立っているマンションの一室の明かりが消えるのが見えた。後ろを振り向けば、僕の隣居の部屋の明かりはまだ灯っていて、何も物音は聞こえなかった。

 僕とその隣居の息子は同い年であったが、一度もまともに会話をしたことがなかった。特殊な臭いのするその隣居を避けるように僕はそそくさとエレベーターに乗り、一階へと向かうのである。

 隣居の窓の隙間から、同い年の息子の様子が見えた。机の明かりを灯し、半年後に控えた受験のために教科書と会話をしている。

 再び視点を空に戻すと、貼り付いた雲は灰色の混じった黄色に変わり、地平線は再び紅くなり始めていた。

 ここで僕の一日を終えた。

 

 目を覚ましたらディスプレイは夜の十一時を指していた。